幼少の頃から後深草院のもとで養育された二条は、14歳の春に院の寵愛を得る。二条は院の愛人となってからも、数多の貴人や高僧たちと交渉を重ねるが、かねてからの出離の思いが高じ、ついには尼となって諸国遍歴の旅に出る。-波瀾にみちた性の体験を大胆に告白し、愛欲の世界を脱して宗教に浄化されていく過程を描いた女流日記文学の傑作を艶麗な筆に甦らせた名訳。