日本近代洋画史上、不動かつ特異な位置を占める岸田劉生。絵画や文章の類稀な才能に恵まれ、38歳の若さで没しながら、同時代や後世の芸術家たちに多大な影響を与えました。本書では自画像、肖像画、風景画、静物画、そして麗子像……5つの視点から劉生の芸術を再検証し、日本近代の苦悩する知性に迫ります。