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  • 著者松村潔
  • 出版社説話社
  • ISBN9784906828562
  • 発行2019年8月

夢探索 / 夢から力を引き出す本

本書が取り上げる「夢」とは普段、私たちが睡眠時に見ている「夢」のことです。夢には無限の可能性と力があることを本書では説いていきます。
 著者は「夢の体験は肉体が仮死状態になった後に体験するものであり、肉体という『事物性』から解き放たれて、夢は極めて象徴的で概念的な体験をしていきます」といいます。
 夢の中で私たちはメンタル体、アストラル体、エーテル体の体験をします。とりわけメンタル体は無意識のフェイズであり、そこには根源的な想像力の源とされています。無から有を生み出す最初の一撃といわれているのです。霊魂魄肉の四区分で見ると、霊であるメンタル体は魂であるアストラル体に、アストラル体は魄であるエーテル体に、エーテル体は肉である物質体にと影響を与えていきます。つまり、夢は私たち自身にも強い影響力を知らず知らずのうちに与えているわけです。
 夢を探索するには、タロットカードや禅の「十牛図」、エニアグラム、タットワ、パスワーク、生命の樹、ホロスコープなどを活用するのですが 、本書では特にタロットと西洋占星術に着目をしています。
 タロットカードの大アルカナと西洋占星術の12サインの照応により、これまでとは違った西洋占星術およびタロットの解釈もできるでしょう。タロットカードの「1魔術師」を西洋占星術の12サインの牡羊座とし、以降、順番に当てはめていくと「13死神」で2回転目の牡羊座に当たるのがわかります。最後、「21世界」は2回転目の射手座で終わります。本書ではこの2回転目の12サインについて論を展開していきます。なぜ、2回転目なのか、それは「『11力』のカードと『12吊られた男』は、この世界から少しずつ浮いていく、脱出する方向に向かって」いるからです。この「世界から脱出して、宇宙に飛び出す方向に向かって」いくことが夢探索の重要な要素なのです。
 著者は説いていくすべてにおいて、「わからないことはすべて夢に聞く。地上でどこの書物を探しても書いていないような内容は夢で聞く。この姿勢で取り組むとよい」といいます。
 それは、私たちが「眠る時間をパンの耳のように切り捨ててい」るからであり、夢は「極めて重要なのです」というメッセージなのです。
 「毎日の夢の体験を、不死の身体を作ることに向けると、そこにはどんなことよりも大きな意義、目的が発生し、毎日の夢を見ることに真剣になれます。(中略)夢を活用するというのはなかなか賢い方法ではないかと思います」とまとめています。
 あまりにも身近な体験である夢にこそ、本当の「わたし」を発見するヒントが隠されているのです。

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