私的でも形式的でもない、人びとの思い思いの居方を許容する「まちの居場所」という拠点概念。その発生・発見から継続されてきた研究の集大成。
1990年代後半、さまざまな「まちの居場所」が生まれた。福祉施設やフリースクール、コミュニティカフェといったかたちをとって出現したそれらは、まちにおける生活の質の向上・改善を目指す「あるじ」によって生み出され、人びとに見慣れたまちの再考・見直しを促した。本書では長期にわたって継続されてきた研究の成果に立脚し、「まちの居場所」発生以後の動きや最新の事例を加えながら、「まちの居場所」をいかに支援・保全・育成・継承していくかに焦点を当てている。