グローバリゼーションが進む現代もなお、日本人は西洋の価値観に囚われているのではないだろうか。われわれが用いる"個人"や"自由"といった周知の概念が、そもそもは「輸入品」である。本書では、日本特有の個と社会のあり方について、諸外国の文化と比較して考察する。いまも強い訴求力をもって読者に迫る、人間の懐疑と決断を真摯にみつめた思想家の原点。一九六九年の発刊以来、五十版近くを重ねた名著『ヨーロッパの個人主義』がよみがえる。復刊にあたり、新たに三十ページを加筆した完全版。