〈世界内戦〉時代における「戦争論」
なぜ資本は、戦争を求め続けるのか?
世界的に注目される先鋭的な思想家による話題の書!
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現在、グローバルな〈世界内戦〉という状態へと至った戦争体制が、
いかなる資本のメカニズムによってなされたのかを、
気鋭の思想家二人が初めて明らかにする。
本書は、〈世界内戦〉時代における「戦争論」である。したがって「戦争」とは、国家間の戦争のみならず、階級、宗教や文明、人種や民族、性やジェンダーなどをめぐる戦争、現在激化している「対テロ戦争」、つまりグローバルに発生している〈内戦〉のすべてである。
現在、右派ホピュリズムは、移民やイスラム教徒を敵として名指し、政治的ヘゲモニーを打ち立てようとしているが、その人種差別的・性差別的・外国人排除的なスローガンは、貧者の間の戦争を煽り立て、新自由主義の仕掛ける戦争を先鋭化している。
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帝国主義戦争・総力戦から、冷戦へ、そして対テロ戦争、グローバルな内戦へ――
戦争の体制は変容し、戦争と社会・国民との関係も大きく変化している。
戦争と資本の関係は、帝国主義・総力戦の時代については語られてきたが、現在の新自由主義・グローバル経済においては、明確にされていない。しかし資本と戦争が、いつの時代においても密接な関係にあり、資本は常に新たな戦争を求め、戦争抜きには存続しえないことは明らかである。
本書は、現在の〈世界内戦〉といわれる戦争状態が、なぜ発生しているか、その成り行きが今後の資本主義の行方、世界のあり方を決定することを明らかにする。
■[序文]より
グローバルな内戦と統合された世界資本主義に関する“30の宣言”
(1)われわれは、新たな戦争機械の構築の時代に入ろうとしている
(2)現在、金融資本主義が、“グローバルな内戦”を引き起こしている
(3)世界中で“内戦の主体化”としての運動が巻き起こっている
(4)「内戦」と「戦争」をどう考えるか?
(5)経済とは、戦争の目的を別の手段により追求することである
(6)新たな植民地戦争は、世界の「中心部」で発生している
(7)通貨と戦争は、世界市場の軍事警察である
(8)戦争と通貨と国家は、資本主義を構成する存在論的力である
(9)資本主義のすべての岐路には「創造的破壊」ではなく“内戦”がある
(10)「本源的蓄積」は、資本主義発展が常に必要とする“継続的蓄積”である
(11)資本主義-工業主義と軍事主義との密接な関係を、マルクスは見過ごした
(12)資本の「歴史的超越性」――世界の“システマティックな植民地化”の作用主体としての資本
(13)資本/国家/軍隊の関係――労働の分業化は、兵士の専門職化とともに行なわれた
(14)民事/軍事、平和/戦争を統合した戦争機械が「統合された世界資本主義」を推進する
(15)「総力戦」体制によって、社会と