• Author川越宗一
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784163910413
  • Publish Date2019年8月

熱源

樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。

一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。

日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。

文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。



樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、

国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。

金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、

読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。

>> 続きを表示

Recently borrowed books by this book borrower.

  • 利休にたずねよ
  • 鼠、滝に打たれる
  • さよなら渓谷
  • 口は気の病をなぜ治すのか
  • 認知症の脳もよみがえる頭の体操 / 10万人が実践!
  • 幻の光
  • 小説伊勢物語 業平
  • チーム・バチスタの栄光 上
  • チーム・バチスタの栄光 下
  • 殺人の門