これが『なつぞら』のリアル。ドラマを超えた劇的ストーリー登場!
朝ドラ『なつぞら』でヒロイン奥原なつ(広瀬すず)のヒントとなった故・奥山玲子氏。同作でアニメーション時代考証をつとめた小田部羊一氏。ふたりは「おしどりアニメーター」として活躍したご夫婦です!
アニメーションの草創期を開拓した奥山さんと小田部さんの長く幅広い活動にスポットライトをあてた「ドラマを超えた劇的ストーリー」が満載。ふたりは「東映動画」を皮切りに、様々なスタジオ、様々な名作に関わり、それぞれが銅版画家として、任天堂ゲームキャラクターのデザイナーとしても活躍しました。本書は小田部さんに2回のロングインタビューを実施。さまざまなエピソードが明かされます。またご提供いただいた秘蔵写真・イラストを80点以上掲載しています。
さらに、ご夫婦の人柄や業績を知る演出家やアニメーターたちに「ふたりとの創作と日常の舞台裏」をインタビュー。名作・傑作の創造の秘密や、東映動画の職場結婚・出産、共稼ぎの先駆者となった夫妻の知られざるエピソードがあふれています。そこには、「アニメーションの舞台裏」にとどまらず、今も昔も変わらない「働いて、生きることのリアル」も明かされます。
(1)小田部羊一 ロングインタビュー
〔Part 1〕奥山さんのこと…「動画」と「童画」を」勘違いしてアニメーションの世界へ/毎日違う服、挑む同僚たち/『太陽の王子ホルスの大冒険』/奥山さんの聞くもの、創るもの 〔Part 2〕東映動画のこと…日本画からアニメーションの世界へ/東映動画という学校/ 〔Part 3〕ふたりのこと…ペラっと/ダンスがきっかけ/いつも奥山さんが後押し 〔Part 4〕夫婦回顧…産休明けの母乳/『ハイジ』キャラクター誕生秘話/ぎっくり腰と『母をたずねて三千里』/『龍の子太郎』/ ほか
・山下(中谷)恭子…寄稿「懐かしい奥山玲子さん」
・勝間田具治『アンデルセン童話 にんぎょ姫』作画監督 奥山玲子との仕事
・ひこねのりお…妖しい踊りと結婚の告白
・葛西治『龍の子太郎』古巣に戻った夫婦を支えた東映動画スタッフ
・池田宏空飛ぶゆうれい船』『どうぶつ宝島』からスーパーマリオの世界へ
・宮崎(大田)朱美…奥山さんから続く女性アニメーターの路
◆奥山玲子(おくやまれいこ):1935年、宮城県仙台市生まれ。宮城学院高等学校卒業。東北大学教育学部中退。58年東映動画入社。『白蛇伝』動画、『わんぱく王子の大蛇退治』原画、『太陽の王子ホルスの大冒険』原画、『アンデルセン童話 人魚姫』作画監督、『龍の子太郎』作画監督補、『注文の多い料理店』原画。85年より東京デザイナー学院アニメーション科講師。88年より銅版画制作。