工学、美学、数学、精神医学、歴史学、人類学、応用化学、法学、経済学――大阪大学の知の精鋭たちは、果たしてドーナツを穴だけ残して食べられるか? 様々なメディアでとりあげられ、ロングセラーとなったユニーク企画を文庫化。
○2014年2月に大阪大学出版会から刊行された同名書の文庫化。
○本書は大阪大学の学生と教員、大阪大学出版会の三者が一緒になって、大阪大学の知を世の中に紹介する本を作りたいという思いから生まれたプロジェクト。2012年春にスタートし、秋にはコンペを行って本企画を採用、出版に至った。第11回出版梓会新聞社学芸文化賞特別賞を受賞している。
○本書の魅力は、それぞれの学問領域ごとに、問題の設定と方法論があることがわかること。例えば、工学ならば「ドーナツという物質を定義し、手段を選び、切削する」であり、数学で言えば「n次元における穴を定義し、次元を超えることで穴を残す」であり、法学で言えば「ドーナツが登場する判例を解釈することによって「穴」を再定義し、穴を残す」となる。