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  • 出版社翔泳社
  • ISBN9784881351680
  • 発行1995年2月

写楽を探せ / 謎の天才絵師の正体

明治になり、クルトが再び写楽の存在に目をつけた。それまで誰もが思いもよらなかった「肖像画」という視点からである。以後、写楽はあらゆる角度から見つめられ、肉づけられ、「実存」の存在を与えられるようになった。それは、江戸期の蔦屋周辺の人々の不気味な沈黙の静けさと反対に、現代の知識人はあらゆる考証を行い、「写楽」を囂しく論考する。「静」と「動」とが写楽の位置を高め、暗闘の中から光の溢れる高みへと連れだした。しかし、写楽自身の肖像はいまだに描かれていない。

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