700年の歴史を超えて、能は絶えることなく上演され続けてきた。今も受け継がれるそのレパートリー約250曲のうち、現代の能楽堂で観ることのできる全200曲を精選。作者と上演史から、展開、素材、演出まで多角的に解読し、演目に込められた作意、古典芸能ゆえに見失われがちな舞台作品としての輪郭を浮かび上がらせてゆく。能楽用語の解説や小文「能を観るヒント」を収録し、研究の第一人者がすべての現代人を観能の愉しみへと誘う。