待望の最新詩集!
世界的に注目を集める詩人の、比類なき言葉の宇宙。
『Agend’Ars』4部作から英語詩集 Transit Bluesへとつづいてきた、著者の圧倒的な詩空間の最新の断面。いちど読んだら忘れられない、犬と人の関係を主題にした2篇、「犬探し」に始まり「犬のパピルス」に終わる新詩集は、主として2017年の『数と夕方』以降の作品を収録している。「犬がいなくなった/夕方の中を名前を呼びながら歩いた」平易な言語が日本語世界に比類のない広がりと深みを生む、現在、世界的に注目を集めている詩人の、夢のような精神の原景。ウェブマガジン「水牛のように」他さまざまな媒体に発表された作品群だが、著者が多用する形式である16行詩のほか、キリスト教文明批判がこめられた「コルコヴァード」など、異様な強度をたたえたいくつかの長詩は必読だろう。アントナン・アルトーからエドゥアール・グリッサン、J. M. G. ルクレジオらの翻訳者としての思索のエッセンスの結晶。『野生哲学』の共著者である小池桂一により新たに描かれた装画2点もすばらしい。