右に行こうか、左に行こか ──まるで人生の岐路を象徴するようなY字路。
日本で出会った台湾人との結婚を機に台北に移住した著者は、
台湾のあちらこちらで出会うY字路の魅力にとりつかれ、
Y字路形成の理由や歴史を調べはじめた。
すると、原住民族が暮らしていたころから清代、
日本時代、戒厳令時代、そして現代に至るまで、
Y字路にはそれぞれの時代の出来事や人々の息吹が
地層のように積み重なっていることがわかってきた。
実際に現地を訪ね歩き、古地図と重ね合わせ、資料をくりながら、
忘れられた記憶と物語に耳を傾ける。
著者が訪れた百数十カ所のY字路の中から、
特に魅力的な約50カ所のY字路を、
写真や古地図をふんだんに使いながら紹介する。