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判例タイムズ NO.1268 2008.7.15

記事紹介 ■座談会 争点整理をめぐって(下) ——『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として/遠藤賢治・瀬木比呂志・二宮照興・垣内秀介・山本和彦 ◆民事訴訟の運用に関するアンケート結果(1) 「主張整理関係」(中間とりまとめ)/菅野雅之・武藤真紀子・藤澤孝彦・吉野俊太郎・小林亜久・本田千鶴 ■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕 第2 量刑諸要素の検討 Ⅱ 被告人の一般情状に関するもの 14 被告人の反省態度等と量刑/川合昌幸 (コメント)川合昌幸「被告人の反省態度等と量刑」について/松田岳士 ■ビジネス・ロー・レポート75・完〔大阪企業法務研究会〕 契約における努力条項の意義について/稲田和也 ■会社判例プラザ37・完——服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修 新株予約権付社債の発行について,特に有利な条件による発行(有利発行)に該当するものとは認められなかった事例 オートバックスセブン新株予約権付社債発行差止却下決定(東京地決平19.11.12金判1281号52頁)/田邊宏康 ■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために9 メディアの論理と弁護士の論理/山口 進 ■世界の司法125——その実像を見つめて アメリカ合衆国マサチューセッツ州の民事訴訟における争点整理 裁判官と弁護士の役割/齊藤暁子 判例紹介(全29数) ◆特 報 [刑事訴訟法] 1(大阪地裁平19.11.14決定) 取調べ状況を録音・録画したDVDが取り調べられた結果,任意性に疑いがあるとして,検察官調書の証拠調べ請求が却下された事例 ◆速 報 [個別的労働関係] 1松下プラズマディスプレイ事件控訴審判決(大阪高裁平20.4.25判決) 業務委託契約に基づくテレビ部品製造会社への派遣労働者と製造会社との間に黙示の労働契約の成立を認め,契約更新後の別作業への配置転換命令を権利濫用として無効として別作業の就労義務の不存在を認め,契約期間満了を理由とする解雇又は雇止めを権利濫用として無効とした事例 ◆最高裁判例 [憲 法] 1(最高裁第一小法廷平20.3.6判決) 住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為と憲法13条 [民 法] 2(最高裁第一小法廷平20.2.28判決) 少年Aが少年B及び少年Cから暴行を受けて死亡したことについて,暴行が行われている現場に居た少年Y1,Y4及びY7がAを救護するための措置を執るべき法的義務を負っていたとはいえないとされた事例 [諸 法] 3(最高裁第三小法廷平20.2.19判決) 被害者の行使する自賠法16条1項に基づく請求権の額と市町村長が老人保健法(平成17年法律第77号による改正前のもの)41条1項により取得し行使する上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合に,被害者は市町村長に優先して損害賠償額の支払を受けられるか [刑 法] 4(最高裁第二小法廷平20.3.3決定) HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に汚染された非加熱血液製剤を投与された患者がエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症して死亡した薬害事件について,厚生省薬務局生物製剤課長であった者に業務上過失致死罪の成立が認められた事例 [特別刑法] 5(最高裁第三小法廷平20.4.22判決) 薬物犯罪の幇助犯から「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」11条1項,13条1項により没収・追徴できる薬物犯罪収益等の範囲 [刑事訴訟法] 6(最高裁第二小法廷平20.4.15決定) 1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例 2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否 ◆行政裁判例 [行政法一般] 1(東京地裁平19.2.2判決) 1 国籍国政府から直接迫害を受けるおそれはないが同国内の政治団体関係者から迫害を受けるおそれがあり,かつ同国政府から保護を受けられないため,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」として難民に該当すると判断された事例 2 難民の認定をしない処分が無効であることの確認請求が認容された事例 [行政争訟法] 2(大阪地裁平20.1.31判決) 1 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の差止めの訴えについて,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」の要件を肯定した事例 2 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の適法性を肯定した事例 [租税法] 3(大阪地裁平20.2.29判決) 学校法人の設置する高等学校及び中学校の各校長であった当該学校法人の理事長が,同各校長の職を退いて,同学校法人の設置する大学の学長に就任するに当たり,同高等学校の退職金規程等に基づいて同人に支給された退職金名目の金員に係る所得が,所得税法30条1項にいう「退職所得」に該当するとされ,これを同法28条1項にいう「給与所得」に該当するとしてされた納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例 4(大阪地裁平19.9.21決定) 推計課税の事案において,同業者の青色申告決算書につき,引用文書ではないとして,文書提出命令の申立てが却下された事例 ◆民・商事裁判例 [民 法] 1(東京高裁平19.9.12判決) マンションの建替え決議について,敷地の特定に欠け,敷地利用権の処理が明らかにされていないとし,同決議が無効とされた事例 2(東京地裁平19.7.26判決) 株式譲渡契約によるM&Aにおいて,売主に事実の表明,保証義務違反があったとして,同契約の補償条項に基づく損害補償が認められた事例 3(甲府地裁平18.6.30判決) 誤って被告の預金口座に金銭を振り込んだ原告の不当利得返還請求につき,被告の相殺の抗弁が排斥された事例 4(東京高裁平20.1.31判決) 殺人事件発生の26年後に遺体の身元が確認されて提起された不法行為による損害賠償請求の訴えが除斥期間を経過していないとされた事例 5(東京地裁平20.1.25判決) 建物の設計監理者に,建築された建物の瑕疵について,施主に対する不法行為責任が一部認められた事例 6(東京地裁平19.5.30判決) 医科大学の主任教授の講師に対する研究の価値及び教育活動を一切否定するような発言,大学からの退職を迫られているように受け取られる発言,討論会から排除する発言は,指導としての適切さを欠き,違法であるとして,主任教授の不法行為責任が認められた事例 7(大阪地裁平19.11.14判決) 入院患者がベッドから転落して後遺障害を負った事故につき,転落防止措置等についての病院医師・看護師の過失が否定された事例 8(東京高裁平18.8.7決定) 面接交渉を認めた判決主文の当該条項には,給付条項性が認められず,当該条項に基づき間接強制を求めた債権者の申立てには理由がない [商 法] 9レックスHD株式取得価格決定事件(東京地裁平19.12.19決定) 全部取得条項付株式の取得価格について判断した事例 10(東京地裁平20.2.21判決) 株式発行会社の有価証券報告書等の虚偽記載により株式上場廃止になったことにより損害を被ったとの株主の請求が棄却された事例 11(仙台高裁平19.8.29判決) 建物及び家財の火災に関する「家財の現在高並に損害見積額明細書」に不実の表示がされた場合,保険会社の約款による免責が認められた事例 [知的財産] 12(知財高裁平18.7.11判決) 訂正審判において,訂正後の請求項1記載の発明(訂正発明1)の進歩性(独立特許要件)を否定し,請求不成立とした審決の取消訴訟において,審決における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性(独立特許要件)の判断をして,審決を維持した事例 13(知財高裁平18.7.11判決) 特許異議の申立てに基づく取消決定に対する取消訴訟において,決定における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性の判断をして,決定を維持した事例 [諸 法] 14(東京高裁平19.11.28判決) 改正後区分所有法の施行前になされた管理規約違反の増築について,同法施行後も,管理規約に基づき,管理組合が区分所有者に対してその義務の履行を求める訴訟を提起し得るとされた事例 [倒産処理法] 15(東京高裁平19.9.21決定) 会社代表者らが銀行からの借入れのため請負代金債権に譲渡担保を設定し,第三債務者の承諾書を偽造した場合であっても,民事再生法25条4号の再生申立棄却事由がないとされた事例 ◆刑事裁判例 [刑 法] 1福岡飲酒運転3児死亡事故(福岡地裁平20.1.8判決) 3人を死亡させ,2人を負傷させた危険運転致死傷等の事案について,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態ではなかったとして業務上過失致死傷,道路交通法違反(酒気帯び運転)を認定した事例 2(東京高裁平19.9.26判決) 法律上の夫が妻に対して,暴行脅迫を加えて,姦淫をした場合に,強姦罪が成立するとされた事例

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