ITの発展によって、いまEコマース(EC)をめぐる動きや勢力地図が大きく変わっていることにお気づきだろうか。 たとえば、ウェブの完全なスマホシフトに加えて、5G(第5世代通信技術)やD2C(Direct to Consumer)、Amazonの動向も気になるところだ。 ▼消費者の視点で近未来を予測 そうした大きな変化の例として語られる最新の考え方が「デジタルシェルフ」である。 これは、いままでお店にあった「リアルな棚」が、手のひらのスマートフォンの中にある「デジタルの棚」に置き換えられることを指している。 今後は、リアルの棚のシェアではなく、デジタルの棚のシェアこそが、多くの企業の命運を握ることになる。 本書では、こうした動きを「消費者視点」で見ながら、近未来を予測する。 たとえば、以前は「たくさんのものの中から選べる」ことがネットショッピングの価値だったが、いまや大半の消費者は、「選ぶ」ことは面倒くさいと感じている。 こうした状況でAmazonは、買い物の大半は「摩擦」だとして、顧客が求めているものをAI技術により推測して提示するなど、摩擦をできる限りなくす方向に動いている。 この点では、楽天は逆の戦略を取っている。 欧米のハイブランドも、もはや「ショッピング体験」ではなく「Unboxing(届いた箱を開けること)」の部分の演出に力を入れている。 こうした変化をまとめつつ、約5年後の近未来を占う一冊、あなたにもぜひ読んでほしい。