本書は、個性豊かな著者が、百体の仏さまと交わした対話の記録である。いまなお信仰を集めている地方の仏さまや明王・天部の像が多く収められているが、それは、そのことで仏像の世界の全体像を明らかにしつつ、同様に仏さまをつくり、崇拝した人間の思想や感情をさぐろうとする意図からでもある。上・下巻を通じて、仏さまの新しい見方を教えてくれる格好の案内書である。