150年前、明治新政府によって行われた神仏分離は、前近代からの宗教的伝統をすべて変えてしまったのか? それとも、それは一部に留まり、現代まで根強く残った部分もあるのか?
宗教学・歴史学の第一線で活躍する研究者らと現場の僧侶が、それぞれの視点と立場から、幕末維新期の一大トピックである「神仏分離」をめぐって、「神」と「仏」の単純な分離や、仏教の法難、神道の地位上昇という意義に留まらない諸相を多角的に問い直す。
“神仏分離150年”を記念し、長州・山口の地で開催されたシンポジウムの内容を書籍化した、維新の中心地からの問題提起の書。
【主な内容】
・基調講演 明治初期の宗教政策と国家神道の形成:神仏分離を中心に(島薗 進)
・発題一 中世における神仏習合の世界観(真木隆行)
・発題二 近世史研究からみた神仏分離(上野大輔)
・発題三 現代の宗教者から捉えなおす神仏分離と宗教的寛容(木村延崇)
・特別寄稿 狂言と神仏習合(稲田秀雄)
・討 議(司会:池田勇太/パネリスト:島薗進・真木隆行・上野大輔・木村延崇)
・総 括 神仏分離をどう考えるか(池田勇太)