われわれはモラルの理論においてと同様、数学や自然科学においても理論の原理的不完全性といった事態に遭遇する。まさしく、科学論においても、否、科学論においてこそ、現実に密着した思索の方法、つまり弁証法の出番はあるのである。そしてそれこそ、不断の小品批評=ミニマ・クリティカの方法にほかならない。-このような同時代批判を、歴史の天使は強く要請しているのである。