400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。だが慶長19年、家康によってついにその手綱が解かれる。三代将軍の選定をめぐる徳川家の紛争を、両里から選ばれた精鋭各10名に代理させようというのだ。秘術の限りを尽くし、凄絶な血華を咲かせる忍者たち。だが、そこには流派を超え、恋し合う2人の名も含まれていた…。山風忍法帖の記念すべき第一作。