女優・杉本彩は女優であるとともに、熱心な動物愛護活動で知られる。現在、公益社団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長を務める著者が、4年前に上梓して反響をよんだ『それでも命を買いますか?』に続き、動物福祉後進国である日本の現状に警鐘を鳴らす。2019年6月に改正された動物愛護法の意味と意義、そして変わらぬペットビジネスの闇や畜産度物、実験動物の悲惨な状況など、「カワイイ」「美味しい」では済まされない動物たちの「悲鳴」と問題点、そして私たちに何ができるかを問う。
第1章 この国の動物たちを取り巻く“2つの事情”
1. SNS社会が動物を殺す――ネットにはびこる“虐待自慢”
2. 行政は動物を殺さなくなったのか――殺処分ゼロを考える
第2章 動物愛護法改正、その評価と課題――何が変わり、何が変わらなかったのか
第3章 「かわいい」の向こう側に巣食う闇――そこに命の尊厳はあるか
1. いまだ終わらないペットショップでの悲劇
2. テレビ番組の無自覚という罪――動物は「視聴率を稼ぐ道具」ではない
3. 日本の動物園は、学びの場所か、見世物小屋か
第4章 人間のために失われる“命”に感謝と尊厳を――アニマルウェルフェア