様々な言語・民族・宗教が渦巻き、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれたバルカン-言語地理学を志した著者の初の海外調査先は、その中でも危うい平和と統一を保っていた旧ユーゴスラヴィアだった。暖かい人々と複雑な民族社会の中で言語調査に取り組んだ日々をユーモアと哀しみをこめて語る。言語学者のバルカン体験記。