ファブラボ(Fab Lab)誕生から約20年──
数々のプロジェクトを生み出してきたイノベーションの土壌「ファブラボ」は
どのように生まれ、発展を遂げてきたのか。
3Dプリンタをはじめとするデジタル工作機械をだれでも使える施設として知られるファブラボ。ニール・ガーシェンフェルド氏がMITで始めた講義「(ほぼ)あらゆるものをつくる方法」をきっかけに生まれたのち、世界中にそのネットワークを広げ、現在では1000以上のラボが世界各地に存在しています。これまで、DIYものづくり、プロトタイピング、インキュベーション、教育、さらには地域課題の解決やコミュニティの形成にも寄与してきました。
本書は、ファブラボのこれまでの歩みはもちろん、ラボに必要な機材、運営戦略、ラボの意義や可能性について、多様なプロジェクトの実例を交えながら解説・紹介します。今後の "ファブ" の行方について気になる方だけでなく、地域や企業にラボを取り入れたいと思う方にもおすすめの "ファブラボ" 決定版です。
本書の編者は、イタリアのファブラボの開設に携わり、現在はカタルーニャ高等建築研究所(IAAC)とファブラボ・バルセロナでプロジェクト・マネージャーを務めるマッシモ・メニキネッリ。そのほか、世界各地から執筆者が多数参加。
日本語版の監修者は、国内・アジア初のファブラボを鎌倉に開設し、これまで日本におけるファブを広めてきた慶應大学環境情報学部(SFC)教授の田中浩也氏です。巻末には、"ものづくり" に収まらないファブの展望や昨今注目を集める"ファブシティ" についてまとめた田中氏によるあとがきを収録しています。
さらに、3名のゲストによるテキストも収録!
ファブラボ鎌倉の川原淳氏には、ファッションやマテリアルについて遠隔で学ぶことができる学際的な教育プログラム「ファブリカデミー(Fabricademy)」について、株式会社リ・パブリック 共同代表の市川文子氏には、都市に対する市民の権利と参与の観点からファブシティについて、VUILD代表取締役CEOの秋吉浩気氏には、テクノロジーが民主化したファブ社会におけるデザイナーの役割について、それぞれテキストを寄せていただきました。
"ものづくりとしてのファブ" から"ソーシャル・イノベーションとしてのファブ" へ進む足がかりを、本書で得ましょう。