• Author吉田篤弘
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784167914592
  • Publish Date2020年3月

ガリヴァーの帽子

もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために――。



名手・吉田篤弘が贈る、おかしく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。





それは、「テントン」と名乗る男から来た一本の電話が事の起こりだった。男の誘いに乗り、新聞記者のSはある島へ向かう。出迎えたのはミニチュアの家が連なる街と、赤児ほどの背丈しかない男。「ようこそ我らの王国、リリパットへ……奇妙な味わいの表題作「ガリヴァーの帽子」



元作家と元シェフが暮らし始めた洋館に現れた王子の奇妙な〓末を描く「孔雀パイ」



奇妙な夢の中で、川を下りながら鰻屋を経巡る「ご両人、鰻川下り」



シャンパンの泡たちの短い一生を描いたおかしな寓話「かくかくしかじか」



ほかに、コーヒーカップを持つと手がなぜか震えてしまう「手の震えるギャルソンの話」、彼女の残していったトースターをめぐる奇妙な出来事を描いた「トースターの話のつづき」など。



読む人々を、不思議な世界へといざなってくれる、物語好きの大人のための8編。

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