エリートたちが築いた「中央」は、内では保守層を含めた「地方」を切り捨て、外では北東アジアでの孤立を深めようとしている。パトリア=郷土の観点から見えてくる「愛国」の本質と、格差社会の進行から危惧されるこの国の行方。政治、思想、文学と、不屈の評論家と気鋭の政治学者が縦横に「日本」を論じた話題の書に、新たな語り下ろしと「精神の鎖国主義をどう脱却するか」を加えて文庫化。旺盛な批判精神で「日本」を読み解く待望の増補版。