中国と日本の伝統数学の歴史を英文で著述して、国際学界に名を馳せた世界的科学史家三上義夫(1875‐1950)。彼が日本の数学を文化史のなかに位置づけてみせたのが本書である。数学をも「芸」としてとらえてしまう日本的学問エートス。詳細な考証とともに新たに編纂されたこの著作は、日本の学問的伝統総体の見直しをせまる。