勅撰集の中でも、最も優美で繊細な歌集『新古今和歌集』。人口に膾炙した歌も「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ 西行法師」をはじめ、多数収録されています。「春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空 藤原定家」のような妖艶な名歌、また難解と思われる歌もありますが、いずれも秀抜な着想とことばの優美な流れは我々を魅了してやみません。上巻には、古典和歌の王道、四季の歌を中心に哀傷歌・羇旅歌など約千首を収載。