癌で余命いくばくもない一乗寺多恵子が殺害された。犯人はなぜ死期の迫った女性を殺める必要があったのか? 事件解決の鍵を求めて十津川警部は、一乗寺が自らの人生の最後の旅行として計画していた宮島に向かった。そして厳島神社の大鳥居をくぐる夜間遊覧船での偶発事故が、二十年以上前の忌まわしい過去の封印を解くことに……。