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  • 著者梯久美子
  • 出版社KADOKAWA
  • ISBN9784041076323
  • 発行2020年4月

サガレン / 樺太/サハリン境界を旅する

かつて、この国には“国境線観光”があった。
樺太/サハリン、旧名サガレン。
何度も国境線が引き直された境界の島だ。
大日本帝国時代には、陸の“国境線“を観に、北原白秋や林芙美子らも訪れた。
また、宮沢賢治は妹トシが死んだ翌年、その魂を求めてサガレンを訪れ、名詩を残している。
他にもチェーホフや斎藤茂吉など、この地を旅した者は多い。
いったい何が彼らを惹きつけたのか?
多くの日本人に忘れられた島。その記憶は、鉄路が刻んでいた。
賢治の行程をたどりつつ、近現代史の縮図をゆく。
文学、歴史、鉄道、そして作家の業。すべてを盛り込んだ新たな紀行作品!
歴史の地層の上を走り続けた、旅の軌跡――。
「本書での二度のサハリン行きのあと、私はまたサハリンに旅をした。
(中略)この島の吸引力は強く、この先も繰り返し訪ねる予感がしている。
この地で生きて死んだ人たちの声を聴くことは、おそらくこれからの私のテーマになるだろう。」(「あとがき」より)
【目次】
第一部 寝台急行、北へ
 一 歴史の地層の上を走る
 二 林芙美子の樺太
 三 ツンドラ饅頭とロシアパン
 四 国境を越えた恋人たち
 五 北緯50度線のむこう
 六 廃線探索と鉱山王
 七 ニブフの口琴に揺られて
第二部 「賢治の樺太」をゆく
 一 「ヒロヒト岬」から廃工場へ
 二 賢治が乗った泊栄線
 三 「青森挽歌」の謎
 四 移動する文学
 五 大日本帝国、最果ての駅へ
 六 オホーツクの浜辺で
 七 チェーホフのサハリン、賢治の樺太
 八 白鳥湖の謎
 九 光の中を走る汽車
 十 すきとおったサガレンの夏
おわりに
主要参考文献一覧

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