鉄道高架下利用の先駆け「2k540」、全国の名産品が集う「まるごとにっぽん」など、カフェ、ホテル、レストラン、ショールームなどあらゆるタイプの商業施設を手がけている著者は、一過性ではない「にぎわい」を生み出していくことをモットーとしている。「にぎわい」の可能性を創造していくために、クライアントの思惑や感性、場所と人の歴史を深く尊重しながら、空間を立ちあげるために、あらゆる関係性を考え尽くす。人と物、物と物、物と場所、場所と人、そして人と人。すべての関係性を丁寧につないでいくためのデザインだけが「にぎわい」を生み出せるというのが著者の持論だ。仕事を成功させるために、著者が大切にしている「対話を重ねること」「モノで考えること」という、2つのデザインプロセスの実際を、9つのケーススタディとして本書では紹介。また、学生時代、会社員時代、そして独立起業に至るまで、著者がデザインや空間デザイナーという職能をどのように考え、どのように勉強してきたのかが綴られ、「空間デザインをどのように学べばよいのか?」というたくさんの声に経験で応えた本になっている。〔武蔵野美術大学名誉教授 島崎信氏推薦、丹青社 上垣内泰輔氏推薦、両氏との特別対談を収録〕