情報システムの構築管理を情報資源管理とシステム構築統制に焦点を当てて探究する。情報資源管理は古くて新しいテーマである。本書で明らかにするプロジェクト統制の仕組みは普遍的な構造であり,適用技術やアプローチ手法を問わず,時代を超えて求められるものである。この統制をきちんと整備できたプロジェクトは無事に進み,そうでないプロジェクトは困難を経験するであろう。
第1章では情報資源管理の考え方について概観する.第2章では,情報資源管理の思想がどのように生まれ,どのように歩んだかを振り返り,その上で,この管理思想を再び生かすためのカギについて論じる.第3章から第6章では,情報資源管理の実現手段である情報システムを着実に構築するためのプロジェクト統制のありかたについて,社会学の知見などを借りながら論じ,最後に第7章で全体を総括する。