森鴎外の娘である著者が父に纏る様々なエピソードを記す。姉茉莉のこと、父を訪れた人々の素顔、身辺の雑事を始め鴎外を敬慕してやまなかった太宰治のことや中勘助の詩について、永井荷風と著者との関わりなど、鍛えられた見事な文章で綴るエッセイ三十九篇。