「塩梅屋」の看板娘のおき玖が、南町奉行所の同心・伊沢と祝言を挙げ、店には、午後四時頃までという約束で、通うことになった。夏のある日、季蔵たちが賄いを食して、しばらくたった時、店の近くで、すり騒ぎが起きた。そんな最中に、貧しいひとからはお金をとらない、巷では有名は医者・岡野玄良先生が「塩梅屋」に現れて--太刀魚と揚げ蓮根はさみ、滋味そうめん、揚げおにぎり、こんにゃくと枝豆のずんだ、冷やし煎餅…夏の暑さに負けない、美味しくて身体に優しい料理と市井の人々の人情、そして季蔵の推理が、ますます冴えわたる大ベストセラー書き下ろしシリーズ、第二幕、待望の幕上げ。