この本は、思春期に精神疾患を患い、精神疾患と共に成長してきた女性の手記です。 あなたは、精神疾患、あるいは統合失調症と聞いて、どのような思いを持つでしょうか。そのような人たちを、「精神障害者」、「社会不適応者」と思われるでしょうか。家族の方々は、「どうして、こんな病気になったのだろう」、「何が原因なんだろ」、「どうしてうちの子が」、「どうしたら治るんだろう」……と、いろいろ思いあぐねておられるのではないでしょうか。 では「精神疾患」とか、「精神障害」とは一体、何なのでしょうか? では逆に「正常」とは何なのでしょうか? その境は、いったい、どこにあるのでしょうか? そして、誰がそんな判断を下すのでしょうか? これって決して特別なことではないように思います。 誰が、いつ、どこでそうなるか知れたものではありません。 というのも、みんな、心に大きな「闇」を抱え、それに気付かず、いえ、気付こうとせずに生きているのですから。 むしろ、自分が異常と気付いている人のほうが、「正常」と言えるのかもしれません。 この本の著者は、「統合失調症になったからこそ、自分の中のたくさんの苦しい思い、寂しい思いと出会えました」と述懐しておられます。 さあ、あなたは、この「本」を読んで、どんな判断を下されるでしょうか?