文学碑は「読む」ための碑である。建碑者側からいえば、「読んでもらいたい」がために建てた碑である。ところが、実際にその文学碑の前に立ってみると、理解するに十分な条件が整っているとはいえない。作品の意味や作者の人となりについても知りたい場合もある。そうした希望こたえ、文学碑を正しく理解し、親んでもらうために、調査・研究し、執筆したのが本書である。都内には570余基の文学碑がある。その中から100基を選んである。