父親や兄への少年の思いをたくみに描きだす、
英国の気鋭の作家による物語。
1922年の暑い夏、ぼくは、兄さんと母さんと、
テキサスの小さな町に住んでいた。
父さんは、戦争が終わって何年もたつのに
帰っていない。
町が退屈だからだろうか。
それとも、戦争で死んでしまったのだろうか。
そんな町にカーニバルがやってきた。
ぼくはカーニバルの〈恐怖の館〉で、
銃で撃たれてさけぶすがたの
兵士のろう人形に、目がくぎづけになってしまう。
その晩、その兵士が寝室に現れた。
いったいなぜ…?
父親や兄への、少年の思いをたくみに描きだす、
英国の気鋭の作家による物語。