好評の《治療ポイントシリーズ》第8弾。
夢は、心の病を抱えて苦しむ患者の治療を助け、希望を与え、また患者自身が意識していない重要な何かに気づかせてくれます。ただし、そのためには、患者にとって適切な夢の解釈や治療をする必要があります。著者はこれまで1万5千人以上の患者に接し、聴取した夢の数は5万以上にのぼります。その経験から、本書では心理療法における夢治療のポイントを専門家だけでなく、夢に関心のある一般の方々にもわかりやすく解説します。
せっかく素晴らしい夢を見ても、それを有益に利用できないことは多いものです。「夢を活かす」には、夢の価値を知り、意味を理解し、自分の人生に有益なかたちで活かすのを助ける援助者が必要なのです。
本書の第1章では、夢の治療ポイントの理論と、実際の臨床における夢の利用のしかたについて述べます。
第2章と第3章では、さまざまな心の病において、夢がどのような治療的役割を果たすのかを事例をもとに詳しく見てゆきます。
第4章では、夢を利用するためにはどうすればよいかを解説します。
第5章では、夢の表している象徴の意味と重要性について述べます。
本書は、「わかりやすさ」「有用さ」「面白さ」の3点を目指し、実際に夢がどのように役立ったのか、心の病に苦しむ人が夢によってどのように救われ、立ち直っていったのかを、多くの実例とともに示しています。
夢に関心のある人はもちろん、人生の岐路に立ったり、心の病で苦しんでいる人、夢分析をしたり夢を心の治療に利用したいと思っている臨床家、あるいはこれから心の臨床家を目指そうとしている人などにも、ぜひお薦めしたい一冊です。