安倍晴明の師匠・賀茂忠行を先祖に持つ陰陽師の末裔、賀茂柳太郎はまだ若い二十二歳。江戸時代、陰陽師といえば安倍家だけが有名で面白くない柳太郎は、江戸で一旗揚げてやろうと、長年暮らした京を出た。人に取り憑く狸、心を病んだ女、千里眼の物の怪、女に懸想した貧乏神…数々の妖かしが柳太郎の前に現れる。若侍小説で人気の著者が描く、傑作・陰陽師小説、書き下ろし!