モノのデザインは、利用可能な技術、製品化した企業の活動、流通・販売のシステム、購買し使用した生活者の行動・心理など、諸要因の総和として成立する。
生物進化の多くが、環境への適応によって説明が可能なように、道具・製品の進化も、その道具にとってのいわば生存環境(つまり社会背景や技術背景)との相互関係によって説明が可能であろう。
一九世紀後半から二〇世紀にかけてのイギリスとアメリカ、日本におけるいくつかの家庭用機器の発展の事例からモノのデザイン史を考察する。
【主要目次】
序 モノのデザイン史の試み
第一章 電気ケトルと魔法瓶
第一節 イギリスの電気ケトル
第二節 日本の魔法瓶と電気ポット
第二章 鍋
第一節 イギリスの鍋
第二節 日本の鍋
第三章 調理家電
第一節 アメリカのコーヒー抽出器具
第二節 アメリカの小型調理家電
第四章 真空掃除機
第一節 イギリスの真空掃除機
第二節 日本の真空掃除機
第五章 風 呂
第一節 イギリスの風呂
第二節 日本の風呂
第六章 家庭機器のモダナイゼーションとは
結びに代えて 今後のデザインのために
○コラム イギリスの道具博物館事情(ミルン・ミュージアム 、ジェフリー・ミュージアム)/
アメリカの二大道具ミュージアム(ヘンリー・フォード博物館とアメリカ歴史博物館)
○付録 英米における関連既存研究 / 関連博物館・資料館