松岡正剛が五十年にわたって読んできた科学書の中から宇宙論と素粒子論をめぐる代表的な本を厳選。ガリレオ、ケプラー、ハッブルから始まって、いったん時間の矢とエントロピーにこだわり、そこから著者が絶大な影響をうけたヘルマン・ワイルの展望台に立って、一三七億年の宇宙史を相対性理論やインフレーション理論やダークマターの謎でかいつまむ。最後はパリティの問題、部分と全体の関係の問題、ゲージ理論、ヒッグス粒子など量子力学の頭目たちの代表作が並ぶ。
もやもやとしたランダムなものがなにか1つをきっかけに動き始める。何が先にあって何が後からくるのか。ゆらぎ、ゆがみ、構造、秩序、時間。この先、どうなるかわからない宇宙像に思いを馳せる。