奇妙な事実がある。マクドナルドのある国どうしは、戦争をしないというのだ。なぜか。マクドナルドはまさにグローバル化のしるしであり、グローバル化世界の価値観は、問題解決の方法として「戦争」を好まないからだ。世界はすでに国家の論理ではないものによって動きつつある。二十四時間市場は、ネットワーク上の無数の多国籍投資家たちに支配され、もはや誰もコントロールしきれない。オリーブの木に象徴される旧い価値は、絶え間ない紛争を生んできたが、一方では文化や社会の安定ももたらしてきた。そして、グローバル化はそれらを破壊しようとする。新旧の価値が衝突するなかで、変化の巨大なうねりが世界を覆いはじめた。このうねりを乗り越えるための条件とは何か。