恋も愛も裏切りも、すべてが詰まっていた――。井上荒野が昭和の歌謡曲をモチーフに書いた短編集。 「人妻ブルース」「時の過ぎゆくままに」「小指の思い出」「東京砂漠」「あなたならどうする」「ジョニィへの伝言」「うそ」「歌いたいの」「古い日記」「サルビアの花」 昭和を彩る十曲を元に、それぞれ一篇の小説が生まれた。メロディーが頭に浮かぶ方も多いと思いますが、歌詞からインスパイアされた、歌謡曲独特の男女の関係が、井上荒野さんの筆によって、鮮やかに甦る短編集。解説・江國香織