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  • 著者沢田正子
  • 出版社笠間書院
  • ISBN9784305709219
  • 発行2020年5月

源氏物語の人々

華やかな恋愛や優雅な貴族社会の描写が魅力の源氏物語。しかし、そこには人と人がかかわることの難しさやむなしさなど、現代の私たちにも通じる悩みや心の動きがあった。
<内容説明>
光源氏や紫上はいかなる想いを抱え、どのように世間とかかわっていたのか。
『源氏物語』の登場人物の行動や感情表現にスポットを当てた、新しい視点の解説書。
主人公である光源氏や紫上をはじめとした華やかな女君から、個性豊かな脇役や悪役まで……。
物語を彩るいきいきとした登場人物たちの振る舞いにはどんな思いが込められ、それらがどのように作品世界を豊かにしていたのか。
「まめ人」、「異端者」、「世評意識」、「心象風景」、「語り手の評定」といったキーワードをもとに多角的に読み解いていく。
長年にわたり源氏物語と向き合ってきた著者が、古典文学の名著の新しい楽しみ方を提示する一冊。
<目次>

第一章 源氏物語の人々の役向き
●源氏物語のまめ人たち(一)
はじめに/まめ人源氏の歩み/末摘花への対応/花散里への対応/愛しき女君たちへの対応/多くの人々への対応/光君の映像
●源氏物語のまめ人たち(二)
はじめに/まめ人夕霧(一)(二)/まめ人薫(一)(二)(三)/薫の罪の浄め
●源氏物語の異端者たち
はじめに/継続的脇役たち 女の場合(一)(二)/一時的脇役たち 女の場合/一時的脇役たち 男の場合/主要人物たち(一)(二)/悪しき役向きの人々
第二章 源氏物語の感情表出
●源氏物語の感情表出の方途
はじめに/色にも出さず/知らず顔、見知らぬ顔/つれなく、おいらかに/無言、寡黙/感情の漏洩/紫上の女人論/宮仕え女房の処世
●源氏物語の人々の世評意識(一)
はじめに/限られた空間での耳目/やや広範囲での耳目/世の人々の耳目(一)(二)/世評との共存
●源氏物語の人々の世評意識(二)
はじめに/浮き名/人笑へ、人笑はれ/世評の予測と防衛(一)(二)/出家への憚り
●源氏物語の人々の世評意識(三)
はじめに/世評への不服従(一)(二)/世評の予測と転換/世評の標的、実態/世評の伝播/将来への展望
第三章 源氏物語の心象風景
●源氏物語の人々の不似合な心象風景(一)
はじめに/女君たち(一)(二)/男君たち/人間の性
●源氏物語の人々の不似合な心象風景(二)
はじめに/女房たちの視線(一)(二)/男君の

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