犯罪と精神医学との関係をめぐる研究の過程で、十九世紀フランスの小さな農村に住む一人の青年が母、妹、弟を殺害した事件に出会ったフーコーらは、この殺人犯が残した手記の美しさに驚嘆し、手記を含む訴訟資料の一式および事件に関する論考を一冊にまとめた。フーコーにおける権力と知の分析にとっての記念碑的労作であると同時に希有の強度にみちた名著を、最新の研究成果をふまえて新訳。