ついにおまつが臨月を迎えた。齢四十三にして初の我が子誕生を待ちわびる浅間三左衛門は安産祈願に余念がない。そんな折、おまつは三左衛門に、若旦那との縁をとりもった薬酒問屋の内儀おきちへの伝言を頼む。泣き腫らした姿を気に掛け夫婦仲を案じたのだが、事はそう簡単ではなかった。悪の匂いを嗅ぎつけ、雨の中を飛び出していく三左衛門。だが、まさしく空前の出水が江戸を襲わんとしていた。若いふたりを救い出し、愛するおまつと腹の子を守れるか。奇跡と涙の新装版第八弾!!
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