一五六〇年、桶狭間の合戦前夜。緊張感漂う清洲城で、織田信長は扇子を手に敦盛を舞い、静かにある決意を固めていた。やがて信長は一つの作戦を示す。あまりの無謀さに家臣の猛反対にあう中、信長だけに見えていた勝利への道筋とは。動乱の時代を駆け抜けた織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼ら六将の目を通して“戦国”を活写した連作短編集。