今世紀最大の思想家か、言葉の神秘主義者か、ナチズムに加担した取るに足らぬ哲学者か。極端に評価の分かれるハイデガー。本書では、文芸批評家スタイナーが、ハイデガーの難解な言葉の繁みに分け入り、「存在を問う」思想の核心に触れ、その現代的意義を解き明かす。80年代以来のハイデガー論争を踏まえた「ハイデガー1991年」を新収録した増補決定版。