本書は、老子の『道徳経』を現代思想の観点から読みなおしたものである。著者は序において「道」(タオ)の思想がヨーロッパ思想にどのように影響してきたかを検討し、東洋思想と西洋思想の根本的相違を論じる。つづいて、『道徳経』の各章にわたって訳しながら、ハイデッガー、西田哲学、ユング心理学をベースに注釈を加えている。中国思想での解釈の枠を越えた、従来の思想のパラダイムを変える"新しい思惟への道"を提示した画期的な書。