台湾に東洋一のダムを建設した日本人の物語
八田與一(はったよいち)は、日本統治時代の台湾で、約10年の歳月をかけて当時東洋一のダムを建設した土木技師です。台湾の灌漑施設の建設に数々の足跡を残しましたが、太平洋戦争中、乗っていた船が撃沈され、非業の死を遂げました。その妻・外代樹も、戦争終結後、ダムの水路に身を投げるという悲劇の最期を迎えています。
與一は台湾では教科書にも登場した、最も尊敬されている日本人のひとりで、現在でも毎年の慰霊祭には台湾の総統が出席するほどの人気です。
1930年に完成した烏山頭(うざんとう)ダムと給排水路は現在でも完全に機能しており、現地の人々が大切に管理し続けています。生誕125周年の今年はダムの近くにあった住居が復元され、記念公園として開園されます。実家のあった金沢でも毎年生誕祭が開かれています。
この本は、日本の土木技術の発展に大きな影響を与え、日本人と台湾人を区別することなく労働者を大切にした、偉大な技術者・八田與一の生涯とその業績を描き下ろした学習まんがです。
【編集担当からのおすすめ情報】
当時のダム建設のようすがよくわかる解説と、貴重な写真も収録。