ファーブルは個々の虫たちの詳細な観察によって、生命の営みの不可思議を探究した。多様な種の一つにすぎない人間の本質は、進化論の呪縛の中で生物を記号化し、遺伝子やホルモンを道具化した今日の生物学ではなく、ファーブルの視点によってのみ捉えられるだろう。博物学的アプローチの復権を主張した名著。