• 著者勝井三雄
  • 出版社白水社
  • ISBN9784560097885
  • 発行2020年8月

曜変天目あるいは心

戦後デザイン界を牽引した巨星、初のエッセイ
本書は、昨年逝去した勝井三雄の一周忌にあわせて刊行する初の書き下ろしエッセイ。
1931年に日本橋の薬卸問屋に生まれ、空襲から逃れて13歳で敗戦を迎えたこと、同世代の多くの若者が戦争で命を奪われ、「その世代の分まで、新たなデザインと社会の創出を担う必要がある」と責任を感じていたことなども初めて明かされる。
『現代世界大百科事典』や「DICカラーガイド」、大阪万博日本館の展示、雑誌「エナジー」など主要な作品の制作過程と人との出会い、そこで学んだことが詳細に綴られ、勝井の仕事への徹底した姿勢が伝わってくる。
また、教育を「デザイナーにとって最もクリエイティヴな仕事」と断言し、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科の立ち上げから尽力してきた。一方で、現役のデザイナーとして教壇に立つことにこだわり続けた勝井の、若い人たちへの思いに胸を打たれる。
時代や社会の流れと世界の動きの中でのデザインの役割に熱い視線を注ぎ、ひたすら未来を見つめ探求を続けてきた稀代のグラフィックデザイナー、勝井三雄の生き方と思想、デザインと美意識、教育論、次世代へ贈る熱いメッセージが詰まった一冊。代表作30点をカラーで収録。

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